CILふちゅう

センター概要

CILとは

Center for Independent Living の略です。頭文字をとってCIL、日本語に訳すと「自立生活のためのセンター」となります。縮めて自立生活センターと呼んでいます。1972年にアメリカのカリフォルニア州バークレーに、世界で初めての自立生活センターが誕生しました。今日、アメリカ全土で500を越えるセンターが活動しています。日本では1986年に八王子に「ヒューマンケア協会」という自立生活センターができたのが最初です。今日、135の自立生活センターが活動しています。 自立生活センターの全国的なネットワーク組織として、センター相互の情報交換、発展のために活動しているのが、全国自立生活センター協議会、頭文字をとってJIL(ジル)と呼ばれています。

自立生活センターの特色

障害当事者主体の考え方

その運営やサービスを障害を持つ当事者が中心になって行っています。それを具体的に示したものとして、センターの代表、事務局長と運営委員の51%以上を障害者が担っています。この障害者主体の考え方は、「障害者の生活に関しては、障害者こそが他の誰よりも優れた専門家である」という立場からきています。障害者に何が必要で、どういうサポートをし、どういう条件を満たせばよいのかを、一番よく知っているのは障害者だからという考えです。こうした理念のもと不特定多数、障害種別を越えて障害者に対し、様々なサービスを提供しています。

自立生活とは

次に、自立生活センターという名称の中にある「自立生活」という言葉について説明します。これは文字通り「自立した生活」という意味です。これまで障害者は医療や福祉の現場で「自立」することを目標に一生懸命リハビリテーションに励むことを、強いられてきました。ここで言う「自立」とは、まず第一に、自分の力で食事ができたり、衣服の着替えやトイレ、入浴等ができるようになることです。これを「身辺的自立」といいます。次に職業的能力を身につけて、お金が稼げるような仕事に就いて生計をたてることです。これを「経済的自立」といいます。この2つの意味での「自立」を精神や身体に障害を持っている人も達成できるよう、様々なプログラムが工夫され、実施されてきました。 「身辺的自立」も「経済的自立」も、障害を持たない人にとっては、さほど難しいことではありません。しかし、障害を持っている人にとっては、なかなか難しいことになります。とくに重い障害を持っている人(たとえば四肢マヒで、手も足もまったく動かせない人等を想像してみて下さい)にとって、こうした定義で考えると、「自立」ということがはたしてありえるのでしょうか。私達の考える「自立」とは「自分の生活を決定する権利を自分自身が持つこと、自分の選択した活動を実践できること。そして、その結果について責任が取れること」です。その実現のために、どれだけ他者の援助を受けたかは、問題としません。このように考えると、どんなに重度の障害者も、自立することは可能となります。 私たち「自立生活運動」を進める立場では「たとえ人の助けをかりても10分で衣服を着て、仕事に出かけたり、社会参加できる人は、自分で衣服を着るのに2時間かかるために、(それでエネルギーを使い果たし)家にいるほかない人より、自立している」(スウェーデンアドロフラッカ)と考えます。

CILふちゅうの紹介(事業と活動)

非営利民間の市民参加型組織です。当センターは「どんな障害を持った人も地域で自立した生活をするために、必要なサービスを提供し、そうした人々も健常者と同じく主体的に、不自由を感じることなく暮らせる地域社会の実現」をめざしています。会員同士が対等な立場で助け合うことを念頭におき、会員制をとって、以下のような事業を行っています。

ILP(自立生活プログラム)

親元や施設、あるいは養護学校等、地域社会から隔離された場での生活を余儀なくされてきた障害者が、いきなり地域で暮らそうとしてもなかなかうまくいきません。そこで、すでに「自立生活」を実践している先輩たちと共に、同じ障害を持つ仲間という対等な立場で、「金銭管理」「介助者との関係の持ち方」等々、自立生活に必要なノウハウを学んでもらう講座のことです。グループで学ぶプログラムと、一人一人個別で行うプログラムがあります。

ピア・カウンセリング

ピアとは「仲間」という意味です。障害を持つ人の自立生活のための相談に、障害者自身があたることを「ピア・カウンセリング」といいます。  これまで障害者の相談には医師、看護師、PT・OT、ケースワーカー等々、各々の専門分野において、障害者について学んだ専門家があたってきました。でも障害者に関する問題は、「障害を持つ当事者こそが、もっとも頼りになる専門家である」との考えから、この「ピア・カウンセリング」は始まりました。 私たちの多くは障害を持っていることで、「何もできない人」、「人の助けを必要とする人」、「社会に迷惑をかけてしか生きられない人」、「障害を持たない人より劣っている人」などという否定的な評価をうけて、自分自身の存在に対して積極的な評価をできないで育ってきました。このような状態からカウンセリングの理論と手法を活用し、障害を持つ仲間と助け合って、自己信頼を取り戻していくことをめざします。人は全て知性、創造性に満ち、互いに助け合い、より素晴らしく人生を切り開いていける存在であることに気づいてもらい、障害者の自立生活を精神的にサポートします。

権利擁護活動

障害者は、その障害ゆえに様々な形で、人としての権利を侵害されることがあります。知的障害者に対するいじめ、暴行、預貯金の着服などはあとを断ちません。車イスを使用している障害者への駅員、バス運転手等による乗車拒否、暴言、またアパート等への入居拒否等も珍しいことではありません。私達は障害者も地域社会の中で差別されることなく、健常者と対等に生きていけることを望んでいます。 その実現のために、諸制度の改革等、社会全体に対する働きかけの必要な問題については、他のCILや障害者団体と共に、政府・自治体および広く市民に対して活動を行っています。個人的な問題に関しては、随時、スタッフが相談に応じ、ともに問題解決に向けてとりくんでいます。

相談、情報提供

介助、年金や手当、住宅改造関係、車イス等の補装具、利用すると便利な制度等、障害者が地域で生活する上で役に立つ様々な情報の提供と相談にのっています。

レクリエーション

利用者、介助者、事務所職員の親睦を行うことを目的としています。また広くボランティアでの参加を募り、一緒に楽しむことを通して、地域で暮らす障害者、自立生活運動に関する理解を深め、広げることも目的のひとつです。

利用者懇談会

利用者さんに一堂に会していただき、地域で生活する上で役立つ情報の交換共有をはかります。自立生活センターに対する要望、批判等、忌憚のない意見を伺うことにより、サービスの質の向上に反映させます。

フリースペース

事務所近くに、フリースペースを設けています。利用者のみならず地域の方々にも開放し、障害の有無に関係なく、地域交流の場としています。利用のしかたは人様々です。音楽を聞いたり、ビデオを観たり。友人とのんびりくつろいだり。はたまた、ただひたすらボーっとする場にしたり。またおやつ作りや映画鑑賞などのイベントも開催しています。皆さんの声をたくさん聞きながら、更なる有効な活用の仕方をみんなで考えていきたいと思っています。

自立生活体験室

自立生活プログラムを受講した障害者が、自立を目前にして実際に地域社会の中で、生活を経験してもらうための部屋です。あらゆる障害者に対応できるよう、必要な設備が整っています。介助者実技研修の際にも活用しています。

自立生活センター CILふちゅう

〒183-0055
東京都府中市府中町2-20-13
丸善マンション1階
042-314-2735
042-314-2736
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